2011年6月16日。【勝浦市議会6月定例会一般質問(全文)】 

○議長(丸 昭君) 次に、藤本 治議員の登壇を許します。藤本議員。〔4番 藤本 治君登壇〕

○4番(藤本 治君) 日本共産党の藤本 治です。まず最初に、山口市長の突然のご逝去に対し、謹んで哀悼の意をあらわします。

さて、私の一般 質問に当たり、一言申し上げます。私は、10期40年の長きにわたって市議会議員を努めた児安利之さんの後継者として日本共産党の議員だからこそできた3 つの値打ちを引き継ぎます。まず第1に、欠かさずに一般質問を行い、住民の声と願いを行政と議会に届けます。第2に、建設的な提案で、住民要求を実現しま す。第3には、住民の目線で無駄遣いや不公平をチェックいたします。

私 の選挙公約は、昨年暮れに日本共産党勝浦支部が実施いたしました市民アンケートが根拠でございました。アンケートの集計結果の特徴は、6割もの市民が暮ら し向きが悪くなったと回答するとともに、要望項目のベスト5は、負担の軽減を求める項目に集中いたしました。それは、まず第1に水道料金の引き下げ、第2 はごみ袋代、第3が国保税、第4は医療費、第5が介護保険にかかわる諸費用でございました。これらの負担を少しでも軽減してほしいというのが市民のアン ケートに寄せられた要望でありまして、さらにアンケートにはいろんな書き込みがありまして、食事はご飯と味噌汁、おかずは1品程度で我慢しているとか、水 や電気を無駄遣いしないなど、国の悪政のもとで節約などの家計のやりくりが限度を超えているということを訴える内容が数多くありました。

そ のほか、高齢者の足の便を確保してほしいなど、一つ一つが切実な要望も40項目を超えておりました。私は特に水道料金と国保税、ごみ袋代の値下げを公約 し、引っ越してきてわずか5年で親類縁者が1人もいないのに、当選いたしました。この驚くべき結果を生み出したのは、1つには、この市民の要望の切実さと 強さの反映だと思っております。私は、本日の一般質問でも、その切実な要望の実現を求めるつもりでありました。

し かしながら、政策決定者である山口市長の突然のご逝去により、まことに残念ではありますが、通告しておりました第1点の水道料金の値下げ、第2点の国保税 の引き下げ、第3点のデマンドタクシーの導入についての質問は、今回は取りやめて、次の機会に譲ることといたしました。

本日の一般質問は、第1点目に被災者支援、第2点目に防災のまちづくり、第3点目にはあたご判決への態度という順序で行わせていただきます。

さ て、質問事項の第1は、東日本大震災の被災者支援についてであります。被災地から勝浦への一時避難を受け入れる補正予算、これは5月の臨時会で山口市長の 専決処分を議会が承認いたしました。このときに執行された予算はゼロでありましたが、今後、100%執行の見通しはいかがでしょうか。予算は有効に活用さ れるべきです。大半を使い残すことになるのでしょうか。震災後3カ月の現在のニーズをどう把握し、勝浦市が果たすべき役割をどう見出すのか、これが大切だ と思います。

津 波で失われた漁船が2万隻以上という現実。東北の漁業の復興のためには、全国の中古船、遊休船の集中が必要であります。先日、函館から久慈港へ船228隻 提供のニュースが流れました。うち83隻が届けられたというニュースであります。海の男の心意気が伝わる、心温まるニュースでありました。勝浦の漁師、漁 連の皆様も動いています。その動きを追えば、現実に直面している課題から、勝浦市が果たすべき役割を発見できるはずです。また、新官の住民の方からは、モ ヤイ船というのでしょうか、使われずに結わえつけられて置き放しの船がある。これが津波で動いたら、家にぶつかって壊される。何とかすべきではないかとい う声も上がっております。市として中古船、遊休船の情報収集を行うべきと思いますが、見解を伺います。

質問事項の第2 は、防災のまちづくりについてであります。東日本大震災の死者は1万5,000人を超え、その死因のほとんどが津波による溺死でありました。うち、年齢の わかった範囲で、60歳以上の方々が人口比の2倍を占めていたとのことです。つまり、人口比では3割程度を占める高齢者の方々が、亡くなった方々の6割以 上、4月時点では65%ということでありましたが、人口比の倍の高齢者が亡くなられたということであります。

特に命にかかわる緊急の課題と対応について伺います。前提として、東日本大震災を踏まえて、勝浦ではどの程度の津波が来ると想定して対策を講じようとしているのでしょうか。お伺いをしておきます。

4 月下旬発表の避難所、避難場所リストでは、津波への備えが余りにも希薄に感じます。リストの冒頭には、津波の危険性がある場合は、速やかに最寄りの高台に 一時避難してください。安全が確認され次第、順次、避難所の開設状況についてお知らせしますとあり、従来と同じ避難所、避難場所のリストが表になっており ました。

大津波に備えてどうすればよいかが書いてあると期待して、これを見た人は、がっかりとしました。めいめい最寄りの高台に避難してくださいとの指示があっただけだからであります。

一 方、興津では、区独自で新たな避難場所確保の動きがあります。既に自主防災組織と目黒学園との間で避難所として利用する協定が結ばれており、現に今回、利 用されました。さらに高いところを求めて、ブルーベリーヒルの施設を避難先にできないかという動きが起こっているわけであります。市はどうタイアップされ ていますか。

な お、勝浦市要援護者避難支援計画が公表されております。内容は、震災直後の3月24日に私と児安さんとで山口市長に申し入れました東日本大震災に当たって の要望の第2項、避難場所への移動に際し、高齢者、寝たきりの人、患者、妊産婦、身障者など、機敏に移動することが困難な人を安全に移動するための対策を 講ずることにこたえるものとなっています。大歓迎であり、速やかな実施を求めます。段取りはどうなっているでしょうか。

さらに、福島原発による放射能汚染への不安は、終息するどころか拡大する一方であります。特に子供たちへの影響を心配して、各地で放射線量の測定と公表が実施され、日ごとに拡大しております。勝浦でも速やかに実施すべきと考えますが、どう対応しようとしていますか。

質 問の最後は、清徳丸に衝突したイージス艦あたごの裁判での判決についてであります。5月11日、横浜地裁は、あたごの当直士官2人に無罪判決を言い渡しま した。衝突原因は、清徳丸の右転が原因と認定し、なぜ右転したかの理由は不明といたしました。あたごには全く責任がなかったとする判決であります。私は、 何よりも再発の防止のために、あたごが漁船群に十分な注意を払わずに、自動操縦のまま突っ込んでいき、両者の進行方向からいって、あたご側に回避義務が あったことは明々白々にもかかわらず、自衛隊の軍艦のそこのけそこのけ軍艦が通るの体質を追認する、この不当な判決に断固として抗議いたします。

既 に防衛庁の事故調査委員会があたごに漁船を回避する義務があることと、見張りや連絡体制の不十分さを認め、関係者38人を処分しております。横浜地方海難 審判所も同様な判断に立ち、海上自衛隊に改善を勧告し、海上保安庁は2人の当直士官の刑事責任を告発しました。それにより行われたこの裁判で、極めて不当 な判決が下されたのであります。

これをどう評価するのか、抗議の態度表明が必要だと考えます。高等裁判所での控訴審に向けて、不当判決への抗議と公正な判決を求める行動が必要ではないでしょうか。明解な見解を求めます。

以上で第1回目の質問を終わります。

○議長(丸 昭君) 11時5分まで休憩いたします。

午前10時49分 休憩 

────────────────────────

午前11時05分 開議

○議長(丸 昭君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

市長職務代理者から答弁を求めます。猿田副市長。

〔副市長 猿田寿男君登壇〕

○副市長(猿田寿男君) ただいまの藤本議員の一般質問に対し、お答え申し上げます。

初めに、被災者支援に係る補正予算の執行見通しでございますけれども、相談があったものを含めまして推計いたしますと130万円、予算に対しまして3.3%程度と見込んでおります。

また、現在のニーズをどう把握しているかとのことでございますけども、震災後3カ月を経たものの、被災地では依然、まだ多くの方が避難生活を強いられております。また、原子力発電事故による放射能汚染問題の終結も明確でない状況にあります。

一方、復興に向けての動きもあり、被災者も避難生活から生活確保へと移行しつつあるものと考えております。

次 に、市として中古船、遊休船の情報収集を行うべきと思うがどうかというご質問です。東日本大震災による漁船被害に遭った漁業者への対応につきましては、千 葉県の漁業協同組合連合会が県内各漁業協働組合に対しまして提供できる中古船等の調査を行っております。それを全国漁業協同組合連合会が取りまとめ窓口と なりまして、東北3県の漁業協同組合連合会にあっせんをし、提供者と譲受者が合意いたしますと、費用負担を含め、双方が協議し、対応しておるということで ございます。市内における中古船等の情報につきましては、漁業協同組合から、一応、確認を得ているところでございます。

2 点目の防災のまちづくりにつきまして、初めに避難所についてでございますが、3月11日の東日本大震災を受けて、市としてすぐにできることは何かというこ とで、津波の際の避難行動と日ごろからの備え等について再確認をしていただくために、4月15日に東北地方太平洋沖地震を教訓に、「津波などの災害に備え ましょう」という文書を市政協力員にお願いをし、世帯配布したところでございます。この中に、避難所、避難場所のリストを示したところでございます。

ご 質問の興津区では、独自の避難所確保の動きがあり、市ではどうタイアップしているかということでございますが、興津区では平成8年に自主防災組織を設立し た当時から、東京の目黒区興津健康学園を避難所としておりまして、同施設を健康学園から自然学園に改修する際に、目黒区と市でいろいろ協議した中で、市と して引き続き興津区の避難所として協力を依頼したところでございます。

ま た、市としましては、今後は協力をいただける民間施設等にお願いをし、一時的な避難所や緊急避難的な避難場所の確保に努めたいと考えておりまして、興津の ブルーベリーヒルにあります学校法人関東国際学園とは6月1日付で災害発生時における施設使用等の協力に関する協定を締結いたしたところでございます。

次に、大津波による被害想定についてでございますけども、市では平成19年度に作成しました防災マップの中で、津波の浸水想定区域を示しております。これは、千葉県が平成18年度に1677年の延宝地震についてシミュレーションした資料から作成しております。

ただいま県におきましては、今回の大津波を踏まえた津波の想定、調査を実施しておりますので、この結果を踏まえ、本市における津波の想定を再検討したいと考えております。

次 に、防災体制の見直しについてでございますけども、防災意識の高揚のため、市民に対しての津波の際の避難行動と日ごろからの備え等についての再確認、周 知、避難所、避難場所の見直しをしたいと思います。地域における一時的に避難するための高台や避難路の整備、民間施設等の津波避難ビルの指定、災害時要援 護者の避難支援体制の整備、ハザードマップの作成配布などを行うとともに、市の防災計画の修正、自主防災組織の設立、強化等を図ってまいりたいと考えてい ます。

3点目のあたご判決をどう評価するかということでございます。高裁での控訴審に向けて不当判決への抗議と公正な判決を求める行動が必要ではないかとのご質問でございます。これにつきまして、改めて亡くなられた方のご冥福とご遺族の方に弔意を表します。

あ たごと清徳丸の衝突事故により、本市基幹産業の一つであります漁業を支える経験豊かな漁業者と、これからの漁業を支える若い漁業者の安全が損なわれたこと は看過できない重大な問題であると考えます。この事故により、平成20年2月20日、当時、藤平市長は、堂本千葉県知事、田久保県議会議長らと防衛省で石 破防衛大臣に直接事故に対する抗議と原因究明と再発防止対策の徹底を強く申し入れました。

海難審判では、平成21年1月30日に事故主因をあたご側と認定する裁決が確定いたしましたが、刑事裁判では、平成23年5月11日、横浜地裁が無罪判決を下したことから、横浜地検は5月25日、東京高等裁判所に控訴をしたところでございます。

刑事裁判では、全容が解明されておりませんので、今後の動向を注視していくとともに、国は再発防止対策について万全の体制をとっていただきたいと考えます。

以上で藤本議員に対する一般質問の答弁を終わります。

○議長(丸 昭君) ほかに質問はありませんか。藤本議員。

○4番(藤本 治君) 現 在までの執行状況が130万円ということでございましたけれども、今後、これが100%に向けて執行される見通しについてはいかがでしょうか。大半が使い 残すことになるのではないかと思っておりますけれども、率直にどのような見通しを持たれているのか、お答えいただきたいと思います。その130万円のもう 少し具体的な執行の中身もあわせてお知らせください。

○議長(丸 昭君) 答弁を求めます。関企画課長。

○企画課長(関 利幸君) お答えをいたします。執行見通しということで、現在の段階におけるということでご理解をお願いしたいと思います。したがいまして、4,000万円の予算に対しますれば、今のところの見込では執行残が生ずるということでございます。

なお、その内容でございますけれども、今日2名、勝浦を出られる方がいらっしゃいますけれども、今日現在ですと4名の方がこの避難生活をしておられると。過去の方を含めますと、6名勝浦市におきましてはかかわった方が存在しております。

内 容的なものですが、6名の方につきましては施設利用、民宿とかかんぽの宿をご利用された。あと2名の方については、一時的には簡保の宿等をご利用された方 がいらっしゃいますが、長期にわたって、放射能関係で勝浦のほうにしばらく避難したいという申し出がございましたので、この方に関しましては、今後、数カ 月、アパートということで、現在アパートで生活しているという状況でございます。 細かい数字につきましては、足し算とか積算をいたしませんと出ませんので、状況につきましては、以上でございます。

○議長(丸 昭君) ほかに質問はありませんか。藤本議員。

○4番(藤本 治君) 中 古船、遊休船の情報収集につきましては、漁連のほうで調査をし、あっせんをされているということでございました。その進捗状況といいますか、勝浦でどの程 度、中古船、遊休船が東北の漁業復興のために役立ちつつあるのか、その辺のところはどのように把握されているか、把握されていましたら、ぜひご紹介いただ きたいと思います。

○議長(丸 昭君) 答弁を求めます。関農林水産課長。

○農林水産課長(関 善之君) 提供できます中古船等の把握でございますけども、漁業協同組合に確認いたしましたところ、漁船は13隻でございます。そのうち4隻が既に岩手県釜石市漁業協同組合連合会に送られているとのことでございます。以上です。

○議長(丸 昭君) ほかに質問はありませんか。藤本議員。

○4番(藤本 治君) そ の船の形状といいますか、どういう船なのかということですが、函館から久慈港に送られる228隻のうち83隻が既に届いているわけですが、その届いた船は ほとんどがボート型をしておりまして、船外機を外に取りつけるような形状の船で、勝浦で13隻ある船というのは、そういう形状の船なのか、あるいは、また 違うものなのか、さらに勝浦から東北へという船のこれから先の潜在的な提供できる可能性なのですけれども、そういった船の形状等、東北と勝浦との状況の違 いでそんなに多くの可能性があるかどうか、その辺も含めてご答弁いただきたいと思います。

○議長(丸 昭君) 答弁を求めます。関農林水産課長。

○農林水産課長(関 善之君) 現 状では、提供できます船につきましては船外機ということで、大きさにつきましては、ほぼ1トン未満となっております。今後の船の提供の可能性につきまして は、被災先が主に養殖業に使う船と思われます。勝浦市におきましては、エビ網漁、そういったもので使用しておりますので、その辺で多少の船の幅とかの違い があると思いますので、双方の話し合いで協議できれば提供できるものと考えております。以上です。

○議長(丸 昭君) ほかに質問はありませんか。藤本議員。

○4番(藤本 治君) 当 事者同士にあっせんをするという形だということだったのですが、勝浦市がこの経過の中で市として後押しができたという実績があるのかどうか、あるいは、そ ういう当事者同士の取り引きといいますか、船の受け渡しに勝浦市は一切関与する余地がないものかどうか、今後についても可能性があるやなしやを含めまして も、お答えいただきたいと思います。

○議長(丸 昭君) 答弁を求めます。関農林水産課長。

○農林水産課長(関 善之君) 当 事者同士でのあっせんで後押しした実績ということでございますけども、市として直接の関与はございません。今後につきましてですが、費用面等を考えます と、函館から久慈市漁協に送られた場合につきましても、輸送費につきましては漁業組合連合会が負担しているとの考えでございます。以上のようなことから、 提供できる船の情報につきましては情報提供はできると考えております。以上です。

○議長(丸 昭君) ほかに質問はありませんか。藤本議員。

○4番(藤本 治君) 状況を今後も系統的に追っていただきまして、ぜひ勝浦市として後押しができることがあるものであれば、ぜひともご努力をいただきたいと思います。

被災者支援につきましては、既に勝浦市の市民や団体がさまざまな取り組みをなさっておられると思うんですね。より一層アンテナを高くして、行政として行い得る最大限の後押しをそれぞれにしていただきたいと思います。

三 陸地方はカツオの消費地でもあると聞いておりまして、旬のカツオを生で食べる食習慣が非常に大きなところだと伺っております。今なお8万人に近い方々が避 難所で生活をされているわけですけれども、勝浦から旬のカツオを届けて、刺身で食べてもらおうじゃないかという動きも起こりそうな気配を感じておりますけ れども、そういった場合に勝浦市が市のバスを提供して、あるいはお魚をさばくお母さん方を呼びかけて、そのバスに乗っていただくとか、そういった後押しの 可能性というのは今後もますます広がっていくのではないかと思いますので、ぜひアンテナを高くしていただいて、今後とも被災地への支援を強めていくように ご努力をいただきたいと思います。

以 上お願いいたしまして、2点目の防災のまちづくりについてお伺いをいたします。ブルーベリーヒルとの間で、既に6月1日に協定を締結したとのことでありま すけれども、興津での自主防災組織のそういった努力は、住民組織がどこでどう逃げようか、みずから考えて行動されているわけなので、すばらしいことだと考 えております。行政は、こういった動きを側面から応援し、あるいは、さらに海岸沿いの地域のすべてにわたってそういった動きが起こるよう促していく、そう いった役割が求められているのではないかと思います。なお、避難場所の見直しについても、市の側が、ここの地域の方はここへ逃げてくださいというような情 報の提供の仕方ではなしに、その地域の住んでおられる方々が、みずから考えて、できるだけ小さな単位がいいと思うのですが、隣近所、あるいは集落、そう いった中であんな津波が来たらどこへ逃げようかという話し合いをして、どこそこに逃げるようにしよう。そこの避難場所に行くまでの道はどこを通っていこう かというような相談がされて、そのことが市としても把握ができて、後々のフォロー、ここの地域の方はここへ逃げているはずだから、避難場所を確定したとき に案内する。案内する方法は、道路上にいらっしゃるかもしれませんので、興津のバイパスの上に避難しているかもしれませんので、どうやって連絡しようかと か、そういった対応もその後出てくると思いますけども、とにかく地元の自主防災組織を初めとするきちっとした組織だけではなくて、隣近所の住民の話し合 い、そういったものを促して、住民自身もいざというときにどこを通ってどこへ逃げるということをきちっと考えられるように、そういった見直しや避難場所、 避難所の整備を進めていく必要があるのではないかと思います。そのことについて、担当のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○議長(丸 昭君) 答弁を求めます。目羅環境防災課長。

○環境防災課長(目羅洋美君) お 答え申し上げます。ただいまの議員の、まず地域の中でということでございますけれども、まず、津波の際は高台に逃げるということが大事でございますので、 また高台につきましては、地域の中で地域の方々が一番よくご存じだと思います。この辺につきまして、今後、各区長方とよく協議をいたしまして、高台への避 難路等につきまして、区と協働して、今後、整備してまいりたいと考えております。以上でございます。

○議長(丸 昭君) ほかに質問はありませんか。藤本議員。

○4番(藤本 治君) 東 北地方の津波が繰り返されてきた歴史の中から、「津波てんでんこ」という言葉が伝えられているんですね。津波てんでんこというのは、津波のときには、だれ もが人のことは構わず、いち早く逃げるんだと。でないと命を落とすという教えなのですけれども、これはできるだけ小さな、そういう単位でいざというときに どうするかを考えて、考えるだけではなく、訓練も必要だと思うんですね。ある東北地方の小学校の子供たちは、日ごろの訓練の成果を生かして、それこそ津波 てんでんこの教えに従って逃げて、周りの大人たちもそれを見て一緒に逃げるということが起こった学校があると聞いておりますけれども、そのように日ごろの 訓練がいざというときに大きな力を発揮するのだろうと思います。そういう意味では、ぜひ行政としては、今、区長との協議とおっしゃいましたけれども、区長 や自主防災組織との連絡を密にしながらも、一層、住民の方々の訓練にもいろんな単位でそういった訓練も呼びかけていただいて、ぜひ進めていただきたいと思 うんですね。

次 に、要援護者への援護支援の問題についてですけども、既に勝浦市要援護者避難支援計画というのが3月付で公表されているのですが、この大ざっぱな内容と、 援護を必要とする人に手を挙げていただいて、その人ごとに個別の避難計画をつくるというふうに理解をしておりますけれども、この計画の中心点をご紹介いた だきながら、既に6月でありますけれども、震災から3カ月が経過いたしました。鉄は熱いうちに打てという言葉がありますけれども、今こそ手を挙げていただ くということを住民の皆様にぜひやっていただく必要があると思いますが、直ちにこれが行われる予定があるのかどうか、そのこともあわせてお答えいただきた いと思います。

○議長(丸 昭君) 答弁を求めます。目羅環境防災課長。

○環境防災課長(目羅洋美君) お 答えします。災害時要援護者避難支援計画の概要でございますけども、災害発生時における高齢者、身体障害者、介護保険要介護認定者など、災害時要援護者の 支援を適切かつ円滑に実施するため、情報伝達体制や避難支援体制の整備を図るために策定し、平常時は要援護者を把握し、支援者を決めて、一人ひとりの支援 プランを策定します。災害時は、避難情報等の伝達、避難誘導等を行おうとするもので、そのための市役所内の支援体制、要援護者等への情報伝達の方法、避難 支援プランの策定の方法等を定めたものが災害時要援護者避難支援計画でございます。これにつきましては、早急に広報等において掲載し、まず要援護者となり 得る方の把握をしたいと考えております。以上です。

○議長(丸 昭君) ほかに質問はありませんか。藤本議員。

○4番(藤本 治君) これはやってみないとわからないところが多分にあると思います。今でしたら、本当に多くの手が挙がって対応し切れないということも起こるかもしれませんけれども、とにかく、やりながら、ぜひ解決策を発見したり、工夫を凝らしていっていただきたいと思います。

想定されている 津波につきましてでありますけれども、今、県も見直し作業を進めているということでありました。過去、平成19年に配布された防災マップの津波のハザード マップ、これが330年前の延宝地震のときの津波をもとにしたハザードマップであるということなのですけれども、今回の東日本大震災は南北500キロに及 ぶプレートの断層でしたけれども、それ以南にあるプレートが、この330年前に延宝地震を引き起こした地震の震源域に当たるそうですけれども、これが今回 は動いていないプレート境界域なのです。これはマグニチュード8.0という地震であったと言われておりますけれども、これが引き起こされる可能性があると いうことで、今回の東日本大震災の影響によりまして、これが早められる可能性もあるとのことで、今後30年以内のこれの地震の予測ということではないので しょうが、可能性について見直すということも起こりつつありますけれども、今回、勝浦が受けた津波の高さ、約2メートルから3メートルだったのではないか と思いますが、延宝地震におきましては、推計ですけれども、5メートルから7メートルと書かれている報告もあります。今回、東北地方を襲った地震は、津波 の到達した岸壁付近で10メートルのところが幾つかございます。そこから駆け上がっていって、山の上に40.5メートルのところまで行った場所もあったよ うですけれども、とにかく海岸の境界線で10メートル、あるいは5メートル、3メートル未満、勝浦市ではそういった幾つかの段階の津波を想定した備えが必 要ではないかと思います。

特 にこの延宝地震につきましては、どこまで浸水したかのハザードマップも備わっておりまして、この段階では、我々はどこへ逃げればいいのかというのは、隣組 同士の話し合いの中でも極めて具体的に、こんな津波が来たときは、ここまで行かないと助からないねというのは、みんなの話し合いの材料にすぐなると思うん ですね。既に発表されているハザードマップではありますけれども、今回の東日本大震災という経験を受けまして、いま一度、勝浦市民の間に過去の歴史上で現 にあった津波ですので、これに基づく備えをできるよう、大いに情報の提供、もっともっと歴史的な事実を掘り起こして、勝浦市民にこの歴史上の津波の災害の リアルな情報をご提供いただく必要があるんじゃないかと思います。

県 がどう考えるかということを待つといいますか、見極める、それはそれとして必要なんですけれども、現にある備えは、そういう3つのパターンを考えますと、 直ちに延宝地震に対しては行動を起こすべきだと思いますので、想定すべき津波はむしろ幅を持っていただいて、そういったきめ細やかな備えをしていっていた だきたいと思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。

○議長(丸 昭君) 答弁を求めます。目羅環境防災課長。

○環境防災課長(目羅洋美君) ハ ザードマップの津波の想定ということだと思いますけれども、今、県のほうで専門的なものでやっておりますので、また県がどういう結果を出すかということも まだわかっておりませんので、この辺の様子をまず見て、それから市のハザードマップを作成してまいりますので、まず県の状況を踏まえることが大事だと思い ます。以上です。

○議長(丸 昭君) ほかに質問はありませんか。藤本議員。

○4番(藤本 治君) 県 が津波の想定を高めるといいますか、もっと大きな津波が来るのではないかということで、高めてくる可能性はあるのだと思いますけれども、今後も繰り返し、 勝浦に津波警報等が出た場合に、いつも東北を襲った10メートル級の津波が来るんだという、イソップ物語じゃありませんけど、そういうおどしで防災を進め るわけにはいかないと思うんですよね。だから、ある意味では、10メートルの津波が来たときに、5メートルの津波のときには、3メートル未満の津波のとき にはと、そういったきめ細かな対応を行政が持つだけじゃなくて、住民の皆さんお一人おひとりが、興津の方々のだれもがみんなブルーベリーヒルに最初から行 こうとは考えないと思うのです。いよいよというときにはブルーベリーヒルがあるという安心感のもとに、5メートルの津波が来たときは興津のバイパスに逃げ ようと。そういうような備えをそれぞれがされるのではないかと思いますし、そういう備えがむしろ必要なのではないかと思いますので、ぜひきめ細やかな対応 を今後とも進めていただきたいと思います。 最初の質問になかったことで申しわけないのですが、福島原発による放射能汚染への不安が、特に子供たちへの放射能汚染を心配する声が多くの皆さんから上 がっているわけなんですけれども、勝浦でもこの放射線量の定期的な測定と公表が必要ではないかと思いますが、それにどう備えられているかを、ぜひお答えい ただきたいと思います。

○議長(丸 昭君) 答弁を求めます。目羅環境防災課長。

○環境防災課長(目羅洋美君) お答えします。放射線量の測定の関係でございますけれども、ただいま市では測定器の購入をいたしまして、大気中の放射線量を測定しようということで進めております。その結果につきましては、公表する予定でおります。以上です。

○議長(丸 昭君) ほかに質問はありませんか。藤本議員。

○4番(藤本 治君) で は、要望ですけれども、隣のいすみ市では、学校、保育所、公園など、子供たちが常日ごろ集まる場所を30カ所、地表1センチ、50センチ、1メートルの3 種類の測定を行って公表されております。なお、日本共産党の「しんぶん赤旗」の今日の記事では、日本共産党の東京都議団が都内128カ所の測定を都議団独 自に測定して、公表して、都民から非常に好評を博している方法が紹介されております。これは、東京都内を等間隔のメッシュで区切りまして、その中から山間 部を除く128カ所を選んで測定した、それも同一地点で10回の測定の平均値を発表したという測定でございますけれども、これはこれで放射線量の強い場所 と比較的強くない場所とが等高線のようにわかったという、そういう発表の仕方でございますが、ぜひ、それぞれの発表のあり方もご参考にされて、ただ、事実 を伝えるだけにとどめるべきであって、だから安心ですということは、国の基準さえもが20ミリシーベルト以下であればいいという当初の発表から、今は年間 1ミリシーベルト以下に抑える必要があると、右往左往するような動きが今起こっておりますので、事実のみを公表していただいて、その事実の公表の仕方は、 そのようにきめ細かな公表の仕方をぜひご検討いただきたいと思います。

以 上お願いしまして、最後のあたごの判決について、その評価を伺いたいと思うのですが、いろいろ述べていただいたわけですけども、今度の横浜地裁の判決その もの、無罪判決についての評価が表明されていなかったと思いますので、改めて横浜地裁の判決につきましての評価をご答弁願いたいと思います。

○議長(丸 昭君) 答弁を求めます。猿田副市長。

○副市長(猿田寿男君) あたごの事件でございますけども、判決ではこういう形で出ておりますので、東京高等裁判所に控訴したということなので、今後、そこら辺の経緯を見守っていきたいと思っております。

○議長(丸 昭君) ほかに質問はありませんか。藤本議員。

○4番(藤本 治君) ご 遠慮があるのかもしれませんけれども、事は防衛省自身が最初の事故調査委員会の最終報告でも、あたご側に清徳丸を回避する義務があったとしているわけなん ですね。さらに横浜地方海難審判所も同様の判断をしているわけです。進行方向を考えてみましても、東京湾に向かって自動操縦であたごが進んでいる。そし て、勝浦からそれを横切る形で漁船団が向かっている。位置関係は、明確にあたご側に回避義務がある、そういう位置関係です。それをあえて横浜地裁は独自の 航跡を裁判所が認定をして、あたごが右転したことによって衝突が引き起こされた原因だということで、これは単なる無罪ではないのです。原因をつくったのは 清徳丸の右転だということでありまして、あたごには一切責任がないという積極的な無罪を主張した判決なのです。どの船がどういう航跡をとったか、証拠不十 分による無罪という認定ではないわけでして、原因はあたごになくて、清徳丸の右転にあったという認定なのです。

そういう点では、考えがたい異常な判決が出たと思うわけですけれども、そういう同じ評価ではないにしても、その異常さについて一言コメントされるべきではないかと思いますので、改めてご答弁をお願いしたいと思います。

○議長(丸 昭君) 答弁を求めます。猿田副市長。

○副市長(猿田寿男君) この問題は、先ほども答弁しましたように、平成20年に石破防衛大臣にもいろいろ申し入れをしているということで、現在、訴訟の場に移っておりますので、私のほうでコメントをどうこうというのは差し控えたいと思います。以上です。

○議長(丸 昭君) ほかに質問はありませんか。藤本議員。

○4番(藤本 治君) 公 の立場として、態度の表明を差し控えるということでございました。同僚の議員のすべての皆さんにもお願いしたいのですが、この問題は極めて重大な問題だと 思います。市長の立場ではなかなか態度を表明することはできないということなのですが、私どももそれに倣ってしまいますと、当の勝浦市がこのことについて 何の態度も表明しなかったと、そういうふうになりかねないと思うのです。議員の皆様におかれましては、ぜひ、周りの市民の皆様との間で、この判決につい て、それぞれの態度をぜひご表明いただきたいと思います。これは何よりも、二度とこういう事故を引き起こさないために必要なことではないかと思います。こ の判決が許されれば、この事故は、再発防止どころか、幾らでも繰り返される。我が物顔に東京湾を出入りする自衛隊の船は今後も同じような行いをしかねない ということでございますので、再発防止、二度とこういった事故を繰り返させないために、私自身、また皆様のそういった心構えをぜひお願いいたしまして、質 問を終わります。

○議長(丸 昭君) これをもって藤本 治議員の一般質問を終わります。

午後1時まで休憩いたします。

午前11時48分 休憩