反対討論


 私は、ただいまの予算審査特別委員長の報告のうち、議案第17号 平成24年度勝浦市一般会計予算、議案第18号 平成24年度勝浦市国民健康保険特別会計予算、議案第19号 平成24年度勝浦市後期高齢者医療特別会計予算、議案第20号 平成24年度勝浦市介護保険特別会計予算、および議案第21号 平成24年度勝浦市水道事業会計予算について、反対の立場で討論を行います。

 今回の予算は猿田市長にとっての初めての本格的な予算編成であり、一部は12月議会での 補正予算から始まりましたが、全体像がまとまった姿で提示されたのは今回当初予算によってであります。そして、一般質問、本会議質疑、特別委員会での審議 を通じて、猿田市長がやろうとする、あるいは、やろうとしないことによって、この予算に盛られている特徴が明らかになってまいりました。
 一つには、4つの小中学校体育館の耐震補強などの事業および保育所の高台移転をも展望した給食センターの移転改築事業が盛り込まれました。これらは防災のために必要な優先度のきわめて高い事業であります。
 二つには、12月議会での補正予算から始まった(仮称)市民文化会館の高台への移転とその規模を拡大する事業が盛り込まれました。高台への移転は防災のためではありますが、規模拡大の目的は全く別ものであります。
 三つには、一方で介護保険料の大幅な値上げを押しつけながら、市民負担の軽減は、水道料金でも、ゴミ袋代でも、国民健康保険税でも、どの分野にも何一つ盛り込まれませんでした。
 四つには、住宅リフォーム補助事業が新規事業として、子どもの医療費無料化が入院費用について中学3年生まで拡充されるなど、市民生活を応援する施策が盛り込まれました。

 これらを見渡しての問題は、切実な要望である市民負担の軽減が何一つ盛り込まれず、それよりも市民文化会館の規模拡大が優先され、軌道修正されないという事実であります。
 現在、政府は「税と社会保障の一体改革」と称して、ムダづかいを続けながら、社会保障は切り捨てだらけで、経済も財政も共倒れにしてしまい、後世にいっ そうひどいツケをまわすことになる消費税大増税をごり押ししようとしています。市民生活の苦難を根本から軽減するには、消費税増税反対の一点での国民の大 同団結により政治の転換を実現することが必要ですが、勝浦市と市議会には国の悪政から市民を守る防波堤の役割を果たすか否かが問われています。今の勝浦市 には、市民の求める負担軽減の願いのすべてに、一挙に応える財政力は無いかもしれません。しかし、何もしないことは許されません。水道料金に対しては近隣 の市町も県の高料金対策を活用しています。多くの市町村が国保会計に一般会計から法定外の繰り入れを行って軽減を図っています。ゴミ袋代も介護保険料も夷 隅郡市で一番重い負担が市民に押しつけられようとしています。
 これらをどれもそのままにしたまま、一方で、市民文化会館の規模拡大が行われることに、市民の大多数は納得するものではありません。以上の理由により、一般会計予算と各特別会計予算に反対を表明するものです。

 なお、一般会計予算への反対理由には、禍根を残す予算計上があることを付け加えておきま す。それは衛生費への亀田医療大学施設整備事業補助金21,669千円の計上であります。地方自治法の第232条の2では地方公共団体が寄付または補助を 行うことができるのは「公益上必要がある場合」に限っています。亀田医療大学への補助金の公益上の必要とは何かを問えば、「卒業後に勝浦市で医療に従事し てくれることへの期待」がその答えでありました。何の保障もない、ただの期待だけをもって「公益上の必要」を満足するとは到底言えません。地方自治法に照 らしても説明のつかない、このような前例を作ることは、後々に禍根を残すものであることを指摘して、私の反対討論を終わります。